確率紙で学ぶ確率・統計
横浜国立大学 酒井信介
グンベル分布の記載に誤りがありましたので削除しました.
現在、確率紙のサポートはRのパッケージ上で行っています.詳しくは、下記を参照下さい.
R入門
確率紙は、視覚に訴える統計処理であるため非常に便利なツールです。しかし、このメリットはこれだけではありません。確率・統計を学ぶ人にとって、理解を促進させます。これから確率・統計を学ぼうとする人にとって効果的でありますばかりではなく、確率・統計現象の本質を直感的に理解する上においても大いに役に立ちます。このサイトは、筆者の能力の及ぶ範囲で確率紙の利用法を考えてみたものです。各分布のタイトルの行にgnuplot fileと描画の際に読み込むサンプルデータを置いてあります。ダウンロードした上で実行してみて下さい。なお,gnuplotは,PC版のwgnuplotで動作を確認しています.
1.正規分布
2.対数正規分布
3.ワイブル分布
5.フレシェ分布
7.指数分布
8.レーリー分布
X軸:線形目盛、Y軸:正規確率目盛
いわゆる正規確率紙です。図中緑線は平均値を、赤線は平均値+標準偏差を、青線は平均値−標準偏差を示します。このデータはN(0,12)なので合致していることを確認して下さい。ランク値は、ミーンランク、メディアンランクの両者について表現しています。両者は大差なく、どちらを使ってもよいでしょう。以後の図は全てミーンランクを用いて表示します。
X軸:対数目盛、Y軸:正規確率目盛
X軸:対数目盛、Y軸:ワイブル確率目盛
いわゆるワイブル確率紙です。裾野の分布がべき乗型である場合の最小値の漸近分布です。最弱リンクモデルに従う場合には、最小値で破壊するためこの分布に合致します。従って、強度の分布の表現にあたり有力候補となる分布です。
X軸:対数目盛、Y軸:ワイブル確率目盛
縦軸、横軸はワイブル確率紙と同じです。ただし、縦軸にはをプロットします。フレッシェ分布のとき右下がりの直線となります。
X軸:線形目盛、Y軸:ワイブル確率目盛
裾野の分布が指数関数型のときの、最小値の漸近分布です。材料強度の分布を表現するための重要な分布だと思いますが、何故か分布に名前が付けられていません。ご存知の方は教えて下さい。
X軸:線形目盛、Y軸:
あまり見かけませんが、指数確率紙を作ってみました。
目盛りと線形目盛りの間の勾配がとなります。故障寿命関数としてよく利用されます。MTBFがで与えられるので、定期検査間隔を決定する際には、重要な量となります。
X軸:線形目盛、Y軸:
勾配がを意味する。