東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻酒井・泉研究室

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心筋細胞の微細構造を考慮した電気生理・力学統合シミュレーション

生命維持をつかさどる心臓の機能は、心臓を構成する各心筋細胞の収縮により実現します。その心筋細胞は内部に規則正しい微細構造を持っています。心臓病などの病態細胞では生理的機能低下に加え、この構造が乱れることが知られていますが、病変との因果関係は推測の域を出ません。本研究では細胞内の3次元構造の影響を考慮し、電気生理・力学現象を統合したマルチフィジックス有限要素解析を実現しました。実験で得られる細胞の平均挙動とCa濃度分布の再現によりモデルの検証を行い[1]、T管の欠損による収縮動態の変化に関する検討[2]、ミトコンドリアとCa放出口の距離が代謝や収縮に及ぼす影響の検討[3]、ミトコンドリアの細胞内位置と虚血の関係に関する検討[4]等により細胞内の形態と心筋細胞の機能の関係について研究を行ってきました。分子生物学・ゲノミクスから得られた数多くの情報を有機的に結びつけ、医学・薬学への橋渡しとなるようなシミュレーションを目指しています。

参考文献

[1] Hatano et al. A 3-D simulation model of cardiomyocyte integrating excitation-contraction coupling and metabolism. Biophysical Journal, 101(11):2601-2610, 2011

[2] Hatano et al. Critical role of cardiac t-tubule system for the maintenance of contractile function revealed by a 3D integrated model of cardiomyocytes. Journal of Biomechanics, 45(5):815-823, 2012

[3] Hatano et al. Mitochondrial Colocalization with Ca2+ Release Sites is Crucial to Cardiac Metabolism. Biophysical Journal, 104(2):496-504, 2013

[4] Hatano et al. Distinct Functional Roles of Cardiac Mitochondrial Subpopulations Revealed by a 3D Simulation Model. Biophysical Journal, 108(11):2732–2739, 2015
sinnkinn

心筋細胞内の構造の模式図(右)と有限要素モデル(左)


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